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コンサルタントは社内政治の道具にされるのか?
コンサルタントが社内政治に利用されると聞いてあまりピンと来ない方もいらっしゃるかもしれません。しかしながら実際にあります。
A事業部とB事業部が新規事業のための予算を取り合っていると仮定しましょう。
その場合、両事業部とも自分の事業がより魅力的に見えるような主張をします。
さらにはその主張の裏付けとしてA事業部がコンサルティング会社を使う場合。
この場合には明確にA事業部はコンサルティング会社に対して「中立的な立場ながら盛った数字をアウトプットする」ように指示することになります。
もちろん全てのクライアント企業でのプロジェクトがこのように濁ったものというわけではありません。
しかしながらコンサルティング会社の「ハンコ」をこのように使いたいというユーザーは少なからずいます。
社内政治に巻き込まれたら: プロジェクトから降りよう
このように社内政治に巻き込まれたらどうすれば良いか。
もちろん状況によって判断は千差万別ですが、敢えて一つの答えを出すならばプロジェクトから降りましょう。
もちろんそれによってもらえるお金がなくなるとしてもです。
理由1: そこに仕事の価値はない
なぜプロジェクトから降りた方が良いのか。
理由の1つ目は「コンサルタントとしての仕事の価値はそのプロジェクトに求められないから」です。
クライアントが求めているのはコンサルティング会社が裏書きをしてくれたという、いわば「ハンコ」としての価値しかありません。
そこに仕事をしているかどうかということは求められていません。
仕事をしてもしなくても求められるものに影響しないのであれば、そんな無駄なことに時間を使うべきではありません。
これが理由の1つ目です。
理由2: お金にはなるが価値は下がる
なぜプロジェクトから降りた方が良いのか。
理由の2つ目は、たとえそれでお金をもらえたとしてもコンサルタントとしての商品価値は下がるからです。
上記でも説明したようにハンコを提供したコンサルタントは既に「ハンコ屋」です。
そう、「シャチハタコンサルタント」なのです。
シャチハタコンサルタントになった以上、競合は同じシャチハタコンサルタントです。
当然ながらその根源的な価値は「ハンコ」と同額まで下がります。
そうなる前に価値劣化を防ぐべき。
これが理由の2つ目です。
最後に: 期待値のすり合わせは重要だ
では、こんな状況になる前にどうすれば良かったのか。
それは期待値のすり合わせです。
もちろん、プロジェクト要件定義書などでなにやら書かれているとは思います。
しかし、それがクライアントが真に欲するものなのかどうか、深く尋ねていかなければわからないことが多いと思います。
それらのディーブダイブも含めての期待値のすり合わせです。
クライアント企業の皆さんもコンサルタントの皆さんもそこに注意しましょう。
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