ジョブ・クラフティングで日常業務から戦略的な視野を学ぶには

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Gerd AltmannによるPixabayからの画像

戦略的な仕事に就きたい人は多い

「戦略的」というと何かカッコいいとか、頭が良さそうとか、そのようなイメージが付随することが多いと思います。

例えば、転職理由を尋ねられた場合、ネガティブな印象を持たれないようにするためのお勧めの回答として

もっと戦略的な職務に就きたいと思ったからです

というのが転職エージェントによって挙げられていたりします。

それだけ好印象につながるということですね。

このように「お勧め答弁」でも使われることから戦略的な仕事に就きたいと思っている方はビジネスパーソンの中で潜在的に多いと思います。

「戦略」を仕事にできる機会は多くない

しかしながら、本当に戦略的な業務を仕事にできる人は限られており、あまり多くありません。

例えば、経営戦略コンサルタントであったり、企業の経営戦略部だったりがその対象となるかもしれませんが、すべての仕事の中でそれらはごくごく一部の仕事です。

すなわち、戦略的な仕事に就きたいと思っていても、実際に就くことができる人の割合は限られているのです。

ジョブ・クラフティングとは

ところで、ジョブ・クラフティングというのをご存知でしょうか。

ジョブ・クラフティングとはこのように定義されています。

従業員一人ひとりが仕事の捉え方や業務上の行動を修正することで、現在のやらされ感のある仕事を働きがいのあるものに変容させること

最も有名なジョブ・クラフティングの例には下記のものがあります。

あるところに、3人の石工がいました。1人目の石工に「あなたは何をしているのか?」と尋ねます。すると、石工は「親方の命令でレンガを積んでいる」と答えました。2人目の石工にも同じ質問をすると、「レンガを積んで塀を造っている」と答えました。そして、最も生き生きとした様子で仕事をしている3人目の石工は、「人々がお祈りをするための大聖堂を造っている」と答えました。

1人目の石工は命令されたからやっているといういわゆる「やらされ感」の代表です。

2人目の石工は完成物のためのタスクだからやっているというものです。

そして3人目の石工はより崇高な目的のために自分の仕事が存在しているという意義を表現したものです。

同じ仕事をやっていても、その意味づけによって感じ方や主体性が変わってくるのがジョブ・クラフティングです。

ジョブ・クラフティングを使って日常業務を戦略的に変換する

では、このジョブ・クラフティングの考え方を使って日常業務をより戦略的に変換させてみましょう。

主として3つの方法があります。

全体像の中で位置づける

例えば「調達業務」をやっている人にとって、それが自社の最終製品あるいは自社の最終製品を使ってくれるユーザーにとってどのような意味があるかを考えてみましょう。

自動車に使われるフロントガラスのガラス材を調達している人にとって、それは単に「ガラスの調達」かもしれません。

しかし、それが自動車の重要な部品として使われるだけでなく、実際に自動車を使ってくれる方にとっては無くてはならない機能になります。

では、その全体の価値連鎖の中でガラスはどのような位置づけなのか。

コストと機能のバランスだけでなく、他の機能部品との関係はどうなっているのか、これらを考えていくことで、より自分自身の業務の戦略的位置づけを考えることができます。

このように、自分の仕事が最終的にどのような影響をもたらすかを考えるのが1つ目の戦略的ジョブ・クラフティングの方法です。

長期的に考える

もう1つのジョブ・クラフティング方法は長期的に考えることです。

中長期的にどのような仕事を達成していなければならないのか、そのために現在の仕事はどのように位置づけられるのか。

これらを整理することで戦略的な視野を身につけることができます。

優先順位を見直す

さらに、日頃はタスクを漫然と処理しているかもしれませんが、どのタスクを優先させてどのタスクを放置するか、これらを業務全体から見直すことも戦略的な視野の獲得につながります。

重要性と緊急性の関係をみながら、緊急性の高いタスクの中にちゃんと重要だが緊急ではないタスクを入れ込んでいくことが非常に重要です。

このような優先順位付けは戦略的にとても重要です。

最後に

ジョブ・クラフティングによる戦略的な視野の獲得について議論してみました。

戦略的なものの考え方を行うために転職は必要ありません。

自分の業務の中で何が本当に戦略的に考えられるか、ぜひジョブ・クラフティングを使って試してみましょう。

皆さんにとって何かしらの参考になれば幸いです。

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