この記事の内容
取引が増えれば増えるほど反社会的勢力が紛れ込む可能性は高まる
企業や事業が成長して取引量・取引先が増えれば、そこに反社会的勢力(反社)との関係が含まれるリスクもまた当然増えてきます。
もちろん、不動産やエンターテインメントのように比較的反社会的勢力との接触機会が多い産業もありますからリスクは一様ではありません。
しかしながら反社会的勢力と全くの無縁でいられる産業が無いことも事実でしょう。
普通のやり取りをしていても見つけられる可能性は低い
反社会的勢力というと普段からとても怪しく、風貌や生業ややり取りですぐにわかるだろうと思っていたらそれは大間違いです。
通常のコミュニケーションや外部から触れられる情報だけでそれを特定することはできません。
紹介元や現在の関係先は全くあてにならない
例えば「あの人に紹介されたから大丈夫」や「あの会社と付き合っているくらいだから大丈夫」というのも全くアテになりません。
その紹介者や取引先も全く気づいていないケースだってあります。
筆者は中央官庁の1つのとある省庁から紹介された企業が反社データベースに引っかかったという経験があります。
それくらい特定が難しいのです。
リスクチェックの簡便な方法は登記と取引先ではない銀行
それでも全く方法が無いわけではありません。
1つは登記を確認するというものです。
ここで必要な情報を入手して後に述べる銀行でのチェックを依頼するという方法があります。
また、代表者のエゴサーチや登記先住所にどのような企業が入居しているかによっても判定が進む場合があります。
もう1つが銀行です。
銀行には必ず反社データベースがあり、スクリーニングがかけられるようになっています。
ただし、チェックをかけている会社の取引先銀行とは異なる銀行が良いです。
その銀行が既に付き合っているということはその銀行のデータベースでは「シロ」という判定をしていることになります。
銀行によってはこのスクリーニングが非常に甘いことがあります。
過去に反社との取引で国会証人喚問された銀行の事例がありましたが、あれはまさにデータベースでのスクリーニングがゆるいケースです。
ご自身・自社が付き合っている銀行がチェック対象の取引銀行と異なる場合はラッキーです。
ご自身の取引先銀行にチェックをかけてもらってある程度のスクリーニングが可能です。
さらに調査をしたい場合には専門企業へ打診
それでもグレーあるいはよくわからないという場合には反社チェックの専門企業へ依頼しましょう。
彼らは独自のノウハウはネットワークを有しており、様々な周辺情報から可能性判定をしていきます。
ただし、当然ですが料金がかかります。
最後に
筆者は取引を開始しようとした会社に反社の疑いが発生して、そのチェックで大変苦労した経験があります。
上記の記事で書かせていただいたように事前の特定は相当に難しいものです。
それでも全く方法がないわけではありません。
皆さんにとって何かしらの参考になれば幸いです。
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