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プロジェクトマネジメントにおいてステークホルダーマッピングは極めて重要
プロジェクトマネジメントを行う際に全ステークホルダーすなわち利害関係者をチェックし、各ステークホルダーに対するコミュニケーションプランを作成することおよび実行することは非常に重要です。
プロジェクトのオーナーやスポンサーはもちろんのことSME(Subject Matter Expert: 各領域の専門家)、プロジェクトの受益者等についても、その一人ひとりがどのようにプロジェクトに影響しているかを把握すること、さらにはプロジェクトに対して良い影響をもたらすためにはどのようなコミュニケーションが必要か、悪影響を防止するためにはどのようなコミュニケーションが必要かについては極めて需要です。
これができているかどうかによってプロジェクトの成否は大きくことなります。
たとえばプロジェクトオーナーが非常に細部を気にする人だとします。その状況であればとにかく詳細データをオーナーに対して出していくことを意識しなければなりません。
全てのステークホルダーをプロジェクト開始前に洗い出しておく
コミュニケーションには時間や工数がかかります。
プレゼンテーションを行うのであれば資料の作成やスケジュール調整なども含めて様々な工数がかかります。
それ故、全部のステークホルダーを最初に特定してコミュニケーションのための計画を事前に組んでおくことはプロジェクトマネジメント上、非常に重要なのです。
プロジェクトをキックオフさせる前に全部のステークホルダーを特定しておかなければなりません。
それでも後から特定されるステークホルダー
それでも、プロジェクト開始前に全ステークホルダーが特定されるとは限りません。
例えば、
- プロジェクト期間中に組織改編や人事異動があった
- 組織名称と実際の責任範囲が異なっていた
- プロジェクトオーナーの意向により関係者が追加された
などの状況によって後からプロジェクトのステークホルダーとして参加してくる人はどうしても発生してしまいます。
あるべき姿としては最初から全ステークホルダーを特定し、そのコミュニケーションを事前に設定しておくことですが、実際にはそれは非常に困難です。
なぜ後からプロジェクトに参加するステークホルダーの対応は難しいのか
しかも、後から参加するステークホルダーは、いわば「扱いが厄介」であることが多いです。
もちろん、後から参加したために背景を熟知していなかったり知識が不足していたりという純粋な遅れの問題もあります。
しかし、それ以上に気をつけなければならないポイントがあります。
なぜならば後から参加するステークホルダーは心情的にこじれていることが頻繁にあるからです。
その理由としては下記のようなものがあります。
他にも理由があるかもしれませんが、概ねこのような理由で「後から参加するステークホルダー」には気をつけなければなりません。
後から参加するステークホルダーへの処方箋
それでは、このようなステークホルダーに対応するためにはどうすれば良いか。
いずれにせよ難しい状況なので簡単な解決方法はありませんが、いくつか留意点があります。
- 実際にプロジェクトに入ってもらうまでの準備期間を長めに取ってコミュニケーションを十分に行う
- プロジェクトに参加してくれることに対して感謝の意を(大げさに)表現する
- 他のステークホルダーとも個別に会話する機会を意図的に多く設ける
- プロジェクト上の公式なコミュニケーションだけでなく非公式なコミュニケーションの場を設ける
といったアクションを取ることで、後から参加するステークホルダーにも少しでもスムーズに入ってもらうことができるようになると思います。
最後に
筆者はプロジェクトマネジメントを行う立場として何度もこのような「後から参加するステークホルダー」の存在に苦しみました。
はっきり申し上げると単純な解法はありませんが、少なくとも「そこは難しいぞ」と思って対処するのとそうでないのとでは大きな違いがあります。
皆さんにとって何かしらの参考になれば幸いです。
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