新しい組織のミッションの作り方

事業運営
PIRO4DによるPixabayからの画像

「新しい組織は何をやるの?」の答えに窮してませんか

企業の大小に関わらず企業経営に組織変更は必ずつきものです。

そのような組織変更の中で「新組織設立」に携わる方もいるでしょう。

これから新しい組織を作るというのは新鮮でやる気が出てくる感じがしますが、さて実は「新しい組織作って何するんだっけ?」ということになっていませんか?

大企業の<br>部長Aさん
大企業の
部長Aさん

新しい組織を運営しろって言われたけど何すれば良いんだっけ?

以前の組織との違いの出し方は意外に難しい

特に大きな事業会社で様々な組織が絡み合って運営している組織の場合には「新しい組織ならでは」のミッション、これまでの組織との違いを出すのはかなり難しいのではないでしょうか。

筆者も既存のオペレーションがしっかり存在している領域に対して「新しい組織を作ってリードしろ」と言われた経験があります。

その際に行った工夫をシェアすることで、「新しい組織のミッション作り」に苦労している皆さんにも参考になればと思っています。

違いを出すための着眼点は3つ

既存の組織やこれまでの組織からの違いを出す着眼点は大きくあげて3点あると思ってます。

新組織のミッションを考える上での着眼点
  • 産業の川上や川下への進出あるいは影響力強化
  • 産業の文脈を形成する団体へのアプローチ: 政府・標準化団体・エコシステム
  • 同一企業グループ間でのシナジー創出・強化

それぞれについて説明していきます。

産業の川上や川下への進出あるいは影響力強化

言葉だけ見ると複雑そうに見えますが、簡単に言えば顧客やサプライヤーの領域へ進出するあるいはその領域での協業を強化するような活動です。

例えば顧客が行っているシステム開発の一部を行ってソリューション化する、サプライヤーとサプライヤーのための製品開発をサポートしてよりよい部材を調達するなどのことを指しています。

世界のサプライチェーンはより複雑さを増しており、米中の貿易戦争によってその変化のスピードが著しいので、このようなサプライチェーン上の協業機会については数多く現れるのではないかと思います。

産業の文脈を形成する団体へのアプローチ: 政府・標準化団体・エコシステム

産業特性にも依存しますが、その産業を規定している要素に政府や標準化団体が絡んでいることがあります。

さらにエコシステムと呼ばれるすき間を埋める製品やサービスを提供する企業群が多く存在している(システムインテグレーターなど)産業もあります。

これらとの関係を強化することによって、より自社のポジションや自社の知名度を高めるというのがもう1つのアプローチです。

特に政府は定期的に人事異動があるため、新しく着任した方と何か新しいアクションを起こすということは可能性として大いにあり得るのではないでしょうか。

標準化団体の場合には、影響力の行使のためにカネを払うことを要求するところもあるので注意が必要です。

同一企業グループ間でのシナジー創出・強化

大きな企業であれば近接するところで事業を営む子会社があったり、あるいは同じ様な業務を行う部署が複数あったりということがあるかもしれません。

それらのいわば「交通整理」や「相乗効果創出」を狙った活動という領域も考えられます。

注意しなければならないのは、社内政治が複雑な組織の場合には、あまりこのような活動をやりすぎると逆に障害を増やしてしまう可能性があるということです。

以前との違いは図面化するとわかりやすい

新しい組織を作ることによってどのような活動の可能性があり得るかに関しては図に落としてみると考えやすいと思います。

既存の活動領域に加えて、周辺領域を描き、それに対してどこまで活動を広げるかを可視化するのです。

そのような可視化によってすき間や活動の可能性が見えてくるでしょう。

最後に

筆者も突然新しい組織の長としてアサインされて何をメンバーに対して伝えるのか苦労したことがありました。

この記事で述べたことはその際に行った1つの工夫です。

皆さんにとって何かしら参考になれば幸いです。

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