軽量級プロジェクトマネージャーは機能しない

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重量級プロジェクトマネージャーと軽量級プロジェクトマネージャー

重量級プロジェクトマネージャー・軽量級プロジェクトマネージャーという言葉を聞いたことがありますか?

これは体重のことを言っているわけではありません(笑)。

組織の中で機能別組織に対する権限の相対的強さに基づいてこの重量級・軽量級が設定されています。

例えば、プロジェクトに参加しているメンバーのタスクの優先順位や人事評価にプロジェクトマネージャーが大きな権限を有する場合には重量級プロジェクトマネージャーと称します。

逆に、機能別組織、例えばあるプロジェクトに物流部門からメンバーが参加していると仮定した場合、プロジェクトマネージャーからの指示よりも物流部門の部門長からの指示を優先するような場合には、このプロジェクトマネージャーは軽量級ということになります。

重量級と軽量級のメリット・デメリット

重量級・軽量級それぞれのメリットとデメリットを比較してみましょう。

重量級プロジェクトマネージャーの場合、参加プロジェクトメンバーは基本的に全てプロジェクトマネージャーの指揮系統配下に入る形式になります。

これによるメリットはプロジェクトに対するリソースの集中投下、逆にデメリットは各機能組織のスキルやスケールメリットを使い切れない可能性が挙げられます。

プロジェクトメンバー側から見た場合には、1つのプロジェクトに集中できるという反面、運悪く出来の悪いプロジェクトあるいはプロジェクトマネージャーに当たってしまった場合、仕事の効率や評価が下がるというデメリットがあります。

逆に軽量級プロジェクトマネージャーの場合はどうでしょうか。

重量級プロジェクトマネージャーの反対になります。

すなわち各機能組織のスキルやリソース全体を使える可能性がある一方、プロジェクトマネージャーに人事評価されるわけではないので、いつまでたってもタスクが終了しないリスクがあります。

またプロジェクトマネージャーから見た場合には、常にプロジェクトの責任から逃げられる口上が作れる一方、1つのことにフォーカスできないという仕事のやりにくさが有りえます。

プロジェクトの完遂が必須であるならば選択肢は重量級のみ

あたかもプロジェクトマネージャーのスタイルに2通りあるかのような表現を行いましたが、プロジェクトの完遂を目的とするならば実は選択肢は1つしかありません。

重量級プロジェクトマネージャー1択です。

理由は軽量級プロジェクトマネージャーにはプロジェクト目標が達成できない理由が既に内在しているからです。

失敗理由が埋め込まれているものをプロジェクトマネジメントのスタイルと呼ぶわけにはいきません。

軽量級プロジェクトマネージャーは経営者の口実と無責任

そもそも「軽量級プロジェクトマネージャー」という呼称を発生させてそれを正当化してしまうことは誤りだったと考えています。

これを1つのスタイルとして確立することはプロジェクトのオーナーである経営者にある種の失敗の口実を与えるのではないかと思います。

あるいは権限明確化から逃げる経営者の口実を作っているとも言えるでしょう。

プロジェクトメンバーのレポートラインや評価権限を移すことは軋轢を発生させます。そこから逃げる経営者の無責任と称しても良いのではないのでしょうか。

成し遂げたいことがあるなら重量級プロジェクトマネージャーの責任と権限を明確化せよ

再度メッセージをはっきりさせるならば成し遂げたいプロジェクト目標があるのならば、重量級プロジェクトマネージャーしか選択肢はありません。

重量級プロジェクトマネージャーの下にプロジェクトメンバーを集め、メンバーの指揮命令系統および人事評価をプロジェクトマネージャーに集めるのです。

そしてプロジェクトオーナーがそのプロジェクトマネージャーの権限を宣言する。これが必須となります。

最後に

プロジェクトを成功させたいならば重量級プロジェクトマネージャー。

少し強烈なメッセージだったかもしれませんが、実際に筆者が経験した様々な失敗から言えることだと信じています。

皆さんにとって何かしらの参考になれば幸いです。

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