コロナ後のAI(人工知能)技術トレンド

グローバル
Gerd AltmannによるPixabayからの画像

AIの専門家にコロナ後の技術トレンドをきいてみた

AIを使ったネットワークソリューションを提供している専門家の方にコロナ後のトレンドを伺うことができました。

個人的に興味深い内容だったのでここで記事にして整理したいと思います。

企業におけるAIの活用は興味を集めるものの活用がいまいち

Gartner社が行った企業のCIO(Chief Information Officer)向け調査によれば、37%のCIOがAIの積極的活用に興味を持っているとのことです。

この37%という数字はいわゆる市場浸透度の段階ではEarly Majorityのフェーズまで浸透しているということになりますので、普及の加速期に来ていると呼べるでしょう。

そしてさらには60%以上の企業がIT予算の5%以上をAI向けに振り向けているとのことで、AIの検討が具体化してきることがわかります。

しかしながら、企業におけるAIの検討にはまだ問題があります。

まず企業におけるAIの活用はまだ実験段階で止まっており、実際の活用には至っていないという状況があります。

次に、その実験も研究開発や顧客向けサービス、あるいはITに限ったところに集中しており範囲が限られています。

そして最も付加価値が期待できる製造向けにAIを適用している企業はまだ10%にも満たない状況です。

その原因としては、まだAIが一部の専門家にしか扱えないほど専門性が高いということ、そしてせっかくAIのプロトタイプを作っても一部の領域限定でしか使っていないこと、さらにはそこからどのように付加価値へ展開するかがわかっていないということがあります。

そんな中でもそのAIの活用に関していくつかトレンドがあるということです。

トレンド①: エッジAIがコロナ後のAIの主戦場に

AIのトレンドの1つはエッジにAIが向かうということです。

ネットワークの中心部分を「コア」と表現するのに対して、ネットワークの端末の部分を「エッジ」と表現します。

ここでエッジAIとは端末に搭載されて端末内で運用されるAIのことを指します。

データ経済が発展するにつれて、よりデータをやり取りする場面が増えてきます。

ここでユーザーとして気になるのはプライバシーとセキュリティです。

これらの懸念を解決するためには、端末すなわちエッジ側にもより知能・計算能力が必要になってきます。

ユーザーのデータのプライバシーを保護することによってそれを取引に使える安全性が増します。

これによってそのユーザーにとってよりカスタマイズされた取引が可能になるのです。

例えばどのような保険が適切か、どのような食品を摂取して良いか、どのような買い物がお薦めか、などといったデータを基にしたやり取りが容易になるのです。

トレンド②: Knowledge Graphによる複雑な推論の実現

AIのステージはAlpha Goに代表されるような計算知能から知覚知能や運動知能そして現在は認知知能へと進化してきました。

この認知の知能を高めるためにKnowledge Graphという考えが提案されています。

Knowledge Graphとは1つの情報に対して関連する情報を連結させたもので、単なる単一の連結だけでなく複数の情報を相互に連関させてネットワーク化させた図です。

このKnowledge Graphを使うことによってどんなメリットがあるのでしょうか。

例えば、Eコマースで木炭を購入した人がいたとします。

ここで直線的な推量を使うと、さらに多くの木炭がお薦めされるでしょう。

Knowledge Graphを使った推量の場合には、木炭を購入した人にはバーベキュー用具をお薦めするといった理論の発展が可能になります。

このKnowledge Graphの強みは2点あります。

1つは情報同士の論理的相関性を図示できることにあります。

これによってお互いの関係性の一覧性が高まり、より包括的に情報の関係を捉えることができるようになります。

もう1つはアルゴリズムを強化することができるということです。

直線的な推量だけでなく、情報の相関性を用いることによって、論理性の抜け漏れなどを防ぐことができます。

Knowledge Graphを用いる用途としては、下記のようなものがあります。

例えば医療。

症状から関連する病気を推量し、他の症状をデータとして入れることによってどんどんその検証レベルを高めることができます。

建築にも活用が見込まれます。

例えば建築物の設計をしながら、そのまま平行的にその建造物が建築基準を満たしているかどうかの検証を行い続けるといったことも可能になります。

また自動車で不具合が出た場合、それがどのような原因になってどのような対応すべきかもKnowledge Graphを用いた推量によって正確に導くことが可能になります。

最後に

AIによってどんどん世の中は便利になっていきますが、その活用に必要とされるスキルもまたどんどん要求が高まっていきます。

最新の技術がどこまで行っているのかちゃんと理解した上で、自社あるいは自身の付加価値がどこにあるのか見極めたいですね。

皆さんにとって何かしらの参考になれば幸いです。

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