コンサルティングインタビュー: 企業に経営参謀機能は必要か

コンサルティング
mohamed HassanによるPixabayからの画像

紹介会社経由でのZoomインタビュー形式

かなり緊急の件だったようでインタビュー当日に実施の連絡をいただきました。

日本の紹介会社経由による案件で経営コンサルティング会社のベンチマーク案件のようです。

このようなインタビューもZoomでできるようになり電話代もかからないので便利な世の中になりました。

主題は大企業における経営参謀機能組織のあり方

今回のお題は大企業における経営参謀機能のあり方についてです。

結局のところ、お話していてもベースとなる仮説をしっかりと見通すことができなかったのですが、おそらくは

「コーポレートアジェンダの設定にはそのための専門組織が必要」

という仮説・前提に基づいて調査をされていたのではないかと想像されます。

筆者が提示した事例においてはコーポレート機能的な組織はありますが、基本的には会議体事務局としての役割しかなく戦略上のアジェンダセッティングは少数のトップマネジメントが行うため、この事例から導出される仮説としては

「アジェンダセッティングにとって専門的な参謀組織は不要(あるいは無意味)」

ということになります。

しかしながらこれにはマネジメントのスキルや企業の成長ステージによって適切な戦略組織のあり方があり、その特性を見据えて組織設計する必要があります。

リーダーシップタイプ・事業多様性・組織能力に合わせた経営管理機能とは

インタビューの中では下記のような企業特性に基づいて経営戦略機能・経営参謀機能の重み付けを設定すべきではないかという議論を行いました。

経営参謀機能のあり方に影響を及ぼす因子
  • リーダーシップタイプ: 経営幹部が業界や事業に熟知している、あるいは経営幹部が自身のイニシアチブで意思決定をする性向の場合には参謀機能の必要性は低い
  • 事業多様性: 複数事業部の特性が近い場合には各事業の差異を解釈するための機能が不要なため、参謀機能・戦略機能の必要性が低い
  • 組織能力: 各事業部内に十分な戦略策定スキルあるいは事業ポートフォリオ構成の自己判断能力が具備されている場合には参謀機能・戦略機能の必要性が低い

企業における参謀機能の要否について上記のような特性が見られるのではないかという仮説を導出しながら議論しました。

この仮説に基づけば、例えばリーダーの特性や組織能力の変遷によって参謀機能の必要性についても変化をしていくことになります。

最後に

インタビュー中にはコメントしませんでしたが、戦略機能組織や参謀機能組織の要否が組織特性に依存するだけでなく、そのような組織が機能するかどうかについてはその参謀機能にアサインされる人材のスキルによる部分が極めて大きいです。

すなわち、ハコを作るだけでは物事は解決しないということを強く認識するべきでしょう。

あと気になったのは、こんな情報を一体どこの会社がありがたがるのかと。

上記で述べたように、参謀機能が必要かどうかについては経営幹部がそれを欲するかどうかなので、各会社によって状況も異なればニーズの強さも千差万別でしょう。

いずれにせよ、世の中の経営課題を知る上ではとても参考になりました。

皆さんにとって何かしらの参考になれば幸いです。

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