この記事の内容
人材採用において完璧な候補者に巡り合うことは難しい
企業に勤務していれば人材採用に関して何らかの形で関与することはあるでしょう。
もしかすると採用プロセスの中心となって要件定義から採用決定までを決める立場の方もいらっしゃるかもしれません。
採用を開始してタイミングにおいては意気揚々として「いい人を採るんだ」と意気込んでいたかもしれませんが、実際の候補者と会っているうちになかなか折り合わない理想と現実の狭間で苦しむことになるかもしれません。
たとえば、
- そもそも候補者の数が足りない
- キーワードは合っているが経験が全く合っていない
- 経験は十分だが年齢が高すぎる
- 業務スキルは足りているが英語力がない
- スキルはありそうだが性格のクセが強すぎる
などの理由で面接を進めてもなかなか本意の候補者に巡り会えないことがあります。
そのうち、採用側はこのように考え始めます。
「この辺で妥協しておくか」
採用するよりも退職させる方が難しい
しかし、ここでよく考えておいて欲しいのが、採用によってどのようなリスクがあるかということです。
日本で採用することを前提に考えるのであれば、正社員であれば退職させることには大変な労力がつきまといます。
そもそも能力や成果によって退職させることは日本の労働法では認められていません。
様々な企業がリストラを行っている記事を見たりしているかと思いますが、あれは従業員側に納得・合意してもらった結果としての退職ですので強制的に退職させているわけではありません。
したがって、採用を行うということはその時点で退職に伴うリスクを背負い込んでいるということです。
満足できない要素が多いなら無理に採用すべきではない
採用する際にはほんの少しの妥協かもしれません。
しかしながらその結果として取り込んでしまうリスクは非常に大きいものがあります。
もしも候補者に関して採用に満足できない要素が多いのであれば、そこは妥協して採用することは避けた方が良いと思います。
妥協して採用してもポジティブな部分が少なくばかりでなく、結果的に退職してもらうことになった場合の労力やリスクの方がはるかに大きくなります。
このプラス・マイナスの比較感からいけば明らかにマイナス、行動として敗けということになってしまいます。
何かを優先させるなら性格
「いや、それは理想であって現実は厳しい」
という声があるのはとてもよくわかります。
もし、複数の候補者がいてどの人も一長一短、かつ何かを妥協して進めなければならないという状況の場合、性格を優先することをお薦めします。
性格がフィットしていれば企業文化にも適合することが予想できます。
そして文化的にフィットしていれば、その中で学習してスキルを後から身につけることも可能になります。
一方で性格や文化がフィットしていなければ学習意欲や周りの教育意欲にも悪影響を与え、スキルがあったとしても長く居ることは難しくなるでしょう。
最後に
完璧な採用は難しく、筆者も様々な採用の決断で苦悩をしたことが何度もあります。
どうしても採用しなければならないときに、時間を経てどのようなリスクが発現し、それがどのように回避できるか、それを理解するには経験が必要です。
しかし、採用は自分自身の業務だけでなく他人の人生にも影響を与えるため、慎重な判断が必要になります。
皆さんにとって何かしらの参考になれば幸いです。
コメント