カスタム製品のビジネスは訴訟と同じ姿勢で取り組むべき

事業運営
Sam CurryによるPixabayからの画像

カスタム製品とは

カスタム製品とはどのような製品かご存知でしょうか。

個別の顧客の要求を反映した製品のことで、その顧客のためだけに開発・生産されているものであり一般的に販売されている汎用品とはことなる製品のことです。

世の中の企業にはこのカスタム製品を生業としてビジネスのメニューとして展開している企業があります。

この記事ではこのカスタム製品に取り組む際の姿勢について少し議論したいと思います。

カスタム製品のビジネスを成功させるには

カスタム製品のビジネスを成功させるためには、顧客要求を正しく反映した製品を開発して生産するだけでなく、それをビジネスとして成立させるための正しい「値決め」が必要です。

この正しい値決めができなければ、そもそもとして顧客が汎用品で満足するか、あるいはビジネスとして損失を出すかのいずれかの状況に陥ってしまいます。

顧客の要求するスペックに対して正しい付加価値と正しい対価を設定することがこのカスタム製品ビジネスにおける要点とも言えるでしょう。

要求仕様は様々な形式で出てくる

すなわち顧客からの要求をどのように理解して製品スペックに取り込みそして価格に反映させるか。

これを事業のプロセスとして確率することが大変重要になります。

問題なのは、この「要求仕様」というものをどのように受け取って、合意、管理するかということです。

というのも、顧客からの要求が必ずしも正式な文書で出てくるとは限らないからです。

ある場面ではミーティング内での発言、あるいはメールでの指示、あるいは電話なんてこともあるかもしれません。

これらの要求を一箇所にまとめて、どのような要求を受け取って、それをどのように事業へと反映したかを明記する必要があります。

これは製品スペックだけではありません。

たとえば、納期などのデリバリー要求や不良品率などの品質要求も含まれる可能性があります。

重要なことはこれらをすべて捉えた上で、一箇所にまとめて顧客・自社ともに共有できるように明示化することです。

すべての顧客要求仕様を記録に残し受諾したものは価格に反映する

上記のようにまずは顧客要求をすべて明記すること

そして、それを1箇所に記録として残すこと

さらにその中で受諾するものを明示化すること

そして受諾したものの価格をしっかりと提示すること

が必要になります。

逆にこのプロセスがなければカスタム製品としてのビジネスは成立しません。

この顧客要求の取り込みと可否判定、そして価格への反映プロセスは仕様変更管理プロセスです。

そしてこのプロセスはすなわち記録の管理そのものとも言えます。

記録の管理は訴訟のつもりで挑む=絶対に漏らさない

要するにカスタム製品ビジネスにとって記録の管理はとてもとても重要なものになります。

この記録の重要さは法廷での訴訟と同じものだと理解しておいてもらえらばと思います。

すなわち、記録を正しく保管している方が勝てる確率が高いということになります。

逆に記録を漏らしてしまったらそこでゲームオーバーです。

そのような環境で仕事をしているという意識で臨むことが必要です。

そうカスタム製品ビジネスとは訴訟です。

最後に

顧客との関係を良好にするために、いわゆる「なあなあ」の関係を維持して、結果として顧客から言われたことにすべて応えるということを続けた結果としてビジネスとして破綻してしまうというケースを何度も目撃してきました。

顧客がやることを指示してくれるというメリットは大きいものの、いざ守るべき利益を守れなければそれは翻って顧客の迷惑となります。

しっかり記録を管理して顧客にとって持続可能なビジネスとしましょう。

皆さんにとって何かしらの参考になれば幸いです。

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