この記事の内容
幸せな職種に関するアンケート記事
先日ITmediaというWebメディアにて面白い記事を見つけました。
業種や職種という評価軸で仕事の幸福度を測ってみるという企画です。
下記のようなアンケートに対して幸せの項目と不幸せの項目への回答を比較して差分が大きいものを相対的に幸福な仕事として定義したということです。
具体的な方法としては
全国の就業者5000人にネット上で「働く人の幸せ・不幸せ」についてアンケートを取った。特に、「幸せ」と「不幸せ」を完全に別の尺度として定義し、それぞれ7つの因子(幸せなら「自己成長できるか」「他者に承認されるか」など。不幸せなら「ハラスメント」「オーバーワーク」など)を元に分析・算出した。
とのことです。
結果としては企画系職種がオペレーション系職種よりも幸福
下記の表がそのアンケートの結果です。
職種としてはマーケティング・企画、業種としては教育、学習支援業の幸福度が高いという結果になりました。
そもそものアンケート指標設計の影響を受ける
この結果ですが、すべての項目を並列同じ点数として評価しているためその指標の影響を受けます。
たとえば、自己成長、チームワーク、リフレッシュといった項目がすべて同じ1点という評価のされ方です。
すなわちある項目でずば抜けて高い評価があるよりも、万遍なく複数の項目で評価が高いものがある方が「幸福」ということになる設計になっています。
記事の中で下記のようにも指摘しています。
専門性の高い職種は「自己裁量(マイペースでできるか)」や「他者貢献(誰かのために働ける)」といった幸せ因子が高い一方、不幸せの因子を見ると「オーバーワーク」気味になる傾向も明らかに。
「オーバーワークを回避してリフレッシュを求める人は『生産・管理・製造』の方がきっと向いている。仕事における“幸せ”の形は多様で、それが得られやすい所に行くべき」
単にどちらが幸せでどちらが不幸せというほど単純化できるものでもないでしょう。
米国で行ったアンケートでは全く異なる結果
CareerBlissという米国の転職サイトが2018年に行ったアンケート調査で同じように
The CareerBliss Happiest and Unhappiest Jobs of 2018
という記事を公表しています。
同じく、働く人の視点で評価したものになりますが、興味深いのはその結果と考察です。
米国ならではと言いますか、日本人の感覚とは少し趣が異なるところがあります。
それでは見ていきましょう。
順位 | 職種 |
1位 | 教育アシスタント |
2位 | 品質アナリスト |
3位 | .NET開発者 |
4位 | マーケティングスペシャリスト |
5位 | ソフトウェア開発者 |
6位 | データアナリスト |
7位 | 人事マネージャー |
8位 | ITスペシャリスト |
9位 | プロジェクトコーディネーター |
10位 | システムアナリスト |
いかがでしょうか。
1位の教育系の職種については前述の日本のアンケートでも高い幸福度でした。
これは生徒からの感謝や生徒の成長という形で仕事の意義を実感しやすいということなのでしょう。
筆者にとっての驚きは2位の品質アナリストやその他システム開発系職種です。
この辺の職種は顧客要求に応えるための長時間労働が一般的なので日本人的感覚としてはあまり幸福度上位という感じがしません。
おそらく、給与・報酬などの面での評価が入っているのでしょう。
また4位のマーケティング系職種については日本と同様ですね。
最後に
一番最初のITmediaの記事でも指摘されていましたが、幸福度というものを一概に一つの軸で評価することはできません。
それぞれの職種が持つ要素を多面的に評価する必要があるでしょう。
また、キャリアステージによってもその感じ方がどんどん変化していくものと思います。
新卒入社したてと20年のキャリア歴のある人では幸福の意義自体が相当変化しているはずです。
そのような視点の違いについてもいろいろと吟味していただければと思います。
皆さんにとって何かしらの参考になれば幸いです。
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