この記事の内容
転職の理想と現実は必ず存在する
キャリアアップやプロフェッショナルとしての成長を狙って転職を活用することは大いに歓迎されることだと思います。
転職先の企業が持つ特性によって自分自身が期待することも多いでしょう。
しかしながらそこにはよく誤解や勘違いが含まれていることがあります。
筆者自身もそのような失敗を経験したことがありますが、そのいくつかの事例についてこの記事で紹介したいと思います。
そのいくつかの事例とは
これらのことが全くできないというわけではありませんが、その企業に勤めれば必ずそういう経験ができると思っているのは大間違いとなりますので注意が必要です。
それでは具体的にその事例について説明したいと思います。
外資系企業に勤めればグローバルになるのか
外資系企業に入ってグローバルな事業経験を得るのだ
と考える人は少なからずいらっしゃると思います。
筆者の知人にもそういう人はいます。
しなしながら注意しなければならないのは本当にグローバルな経験を得られるかどうかは役割によるのです。
たとえばこのような例を考えてみましょう。
外資系B2B企業の大手日系顧客の営業に期待される役割は「日本顧客に対して日本的な対応をすること」です。
外資系企業としては、日本のカルチャーに適合するための一つの道具としてこの営業を雇ったのですから、この日本顧客向け営業に期待する役割は「ベタベタのドメドメの営業スタイル」であります。
顧客側も日本的な対応をしてもらえることで安心してその外資系企業の製品やサービスを購入することができます。
しかし、このような仕事は本当に「グローバル」でしょうか?
おそらく違うでしょう。
もっと言えば、日本企業にいるよりもグローバルの色が少ないかもしれません。
もちろん、外資系企業にはグローバルな感覚を感じられる仕事が少なからずありますが、全部が全部そうではないということをちゃんと理解しておくべきです。
テクノロジー企業に勤めれば技術に詳しくなるのか
ハイテク企業に入って技術トレンドに詳しくなるぞ
と考える人もいます。
実は筆者もそのように考えた転職を経験しました。
しかしこれも必ずしも正しいとは言えません。
例えばパソコンメーカーで代理店マネジメントの責任者として転職したとしましょう。
このような役割で得られる経験は最新のパソコンのトレンドの理解や、新しいCPUの性能、、、、ではありません。
代理店ビジネスは基本的に中小企業が対象ですから、どちらかというとITリテラシーが低い人達のためにどのような価格設定、サポートができるかという話題が中心となります。
また代理店の方々もそれほどテクノロジーに強いわけではなく、どちらかというと旧来型の商社の方々が多いので、会話がテクノロジーに関連したものになるわけではありません。
このような立場で積み上がる経験は、在庫管理、価格設定、物流最適化などであり、テクノロジースキルとは関係ないです。
これも極端な例かもしれませんが、敢えて間違った期待を持たないようにということで挙げました。
経営に優れる会社に勤めれば経営ノウハウが高まるのか
今度の転職先は経営手法で有名だからきっと経営ノウハウが勉強できる
というのもありがちな誤解の一つです。
特に経営に優れている企業ではこの勘違いには注意が必要です。
経営が優れているということは、従業員がどのような質であったとしても高い質のアウトプットが期待できる仕組を既に持っているということです。
もっとストレートに言えば、従業員に考えるスキルが何もなくても事業としては上手く回すことができる会社ということです。
このような環境であれば従業員として入っても、単なる歯車の一部として日々回っていれば良いということになりますので、歯車としての経験からはほぼ学びはありません。
むしろ少し未熟な会社に勤務した方が、経営ノウハウとしての学びは大きいのです。
最後に
イメージ先行で転職した場合にはその現実と理想とのギャップに驚くことが多いでしょう。
この記事ではそのようなギャップについてお話をしました。
転職される方はこのような誤解を持っていないか、転職先でのご自身の役割をよく考えてみることをお薦めします。
皆さんにとって何かしらの参考になれば幸いです。
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