日本人の給与が安い理由とその対策

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OlishotによるPixabayからの画像

日本人の給料は安い

日本の平均賃金はOECD加盟35カ国中18位です。

これは米国の平均賃金の約3分の2程度、なんとあのイタリアよりも低いレベルです。

失われた20年のあと、アベノミクスは到来しましたが、成長したのは企業利益と株価で従業員の給与という点では成長がみられません。

安い給料の原因は「ムラ社会経営」

そもそもなぜ給与が安いかの原因ですが、それは終身雇用制度の名残とも言うべき「ムラ社会」経営だと考えます。

終身雇用制度は若い期間は給与を低く抑え、最終的に多額の退職金をエサにして従業員に滅私奉公をコミットさせるという「プチ奴隷制度」です。

この制度を最適化するためには、従業員のスキルを自社にとって最も使い勝手良く育成し、かつ労働市場においてはあまり価値を生まない状況にすれば良いわけです。

そうすれば従業員は、市場で価値がつかないため、安い給与でも仕方なく満足し、社内で少しでも認められてご褒美としての給与を得るために努力をします。

いわばムラ社会の中でしか通用しないスキルを育て、ムラ社会のためにそのスキルを使わせることが、このシステムを最適化するための手段となります。

対策ステップその①: 値段が付く仕組を知る

では、そこに取り込まれないようにするためにどうすれば良いでしょうか。

まずは社外の市場において値段が付く存在になることです。

そのためにはまずはどのような人材が社外市場において値段が付くのかを理解することが必要です。

これはその気になって調べようとすれば比較的簡単です。

例えば、人材エージェントに会って話を聞く、需要の高い職種をウェブ上で調べて見る、人材エージェントのブログやYouTubeをよくチェックしてみるなど、幸運なことに世の中に情報は多く満ちています。

対策ステップその②: 自分に付けたいタグを設定する

次ですが、世の中で需要の高い仕事が見つかったらその中でどのような方向を目指したいかを設定します。

よく自分探しから仕事を見つけたいと考える人が多いようですが、このアプローチの問題は、自分がやりたい仕事に本当に需要があるのかどうかがわからないことです。

また、あまりその仕事を経験したことがない場合には、実際にその仕事をやってみてやはり合ってなかったなんてことにもなりかねません。

人や社会から求められる仕事にこそ充実感を感じるものです。

需要の多い仕事を起点に考えるべきだと思います。

そして自分に付けたい「タグ」あるいは「ラベル」の候補を選んで行きます。

対策ステップその③: 付けたいタグが得られる職業へ転職する

その次のステップはどのような職種に就けばそのタグが得られるかを考え、そして実際に転職することです。

ここで転職に成功する可能性があまりにも低いようであれば、タグの選択にもう一度戻るか、あるいは軸をズラして産業や職種を変化させるなどの工夫をしましょう。

例えば「不動産業界の営業」から「消費財のWebマーケター」に一足飛びに行くことは非常に難しいですが、「不動産業界のWebマーケター」あるいは「消費財の営業」に行く道であれば比較的可能性が高いはずです。

対策ステップその④: いまの職務経験の中で他に得られるタグを棚卸しする

これらのステップを構築したら、改めて自分がこれまで経験してきた職務を棚卸ししてみて、どのようなタグ付けができるかを再検討してみます。

先ほどの「不動産業界の営業」はもしかすると「住環境のソリューションプロバイダー」というタグを付けられるかもしれませんし、あるいは「個人ファイナンスのアドバイザー」的な役割を担っていたかもしれません。

これらを全て列挙することで、自分にどのようなタグ設定ができるかを整理してみます。

対策ステップその⑤: 棚卸ししたタグを再構築して新たに方向性を作り直す

その次のステップは、得られたタグを全部集めて統合した場合、一体あなたにはどのような付加価値があるのかを再整理・再構築することです。

これによって次に何を足したら付加価値が高まるのか、それを次のステップとして考えてみましょう。

これを繰り返すことによって加速的に付加価値を高める方向を目指していきます。

最後に

終身雇用制度はかつては従業員が安心して会社にコミットして働ける制度であったかもしれません。

しかしながら、人生100年時代あるいは産業の寿命が人のキャリア人生よりも短くなった昨今、この制度はすでに崩壊しています。

その中で日本企業がかねてから抱えてきたムラ社会制度に隷属することはキャリアにとっての致命傷にもなりかねません。

みずから外の世界を見て進むべき道を探す冒険者であってほしいと思います。

皆さんにとって何かしらの参考になれば幸いです。

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