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リモートワーク環境では目に見える成果で部下の管理をするのは自然な流れ
新型コロナウィルスの影響で至るところどのような企業であっても何かしらの形でリモートワークを導入し、すでにリモートワークが常態化している企業も増えてきています。
このような環境の中で難しくなってきているのが部下の仕事のマネジメントです。
オフィスにいて隣で仕事をしている環境とは異なり、どのような作業をしているか、他の人とどのような会話をしているか、どのような仕草か、表情はどうかなどといったことが見えません。
その中で重要な手がかりは仕事のアウトプットです。
これはメールに書かれている作業の内容だったり、作成された資料であったり、あるいは対外的な交渉の結果だったり様々なものがありますが、仕事の成果が最もわかりやすい指標になります。
したがって、リモートワーク時代の仕事の管理はアウトプットを中心に行うのがごく自然な流れになっています。
目に見える成果の管理だけで最高の成果が得られるか
一方で、目に見える成果の管理のみで本当に最高の結果を得ることができるのかという疑問が残ります。
仕事を行っているのは労働者である以前に人間であり、人間である以上、仕事で高いパフォーマンスをあげるためには業務にコミットする必要があります。
仕事にコミットするためにはあるレベルでの「心理的安全性」が必要です。
心理的安全性とは、英語の「サイコロジカルセーフティ(psychological safety)」を和訳したビジネスに関する心理学用語のひとつ。 他者からの反応に怯えたり、羞恥心を感じたりすることなく、自然体の自分をさらけ出せる環境のことをいいます。
https://www.kaonavi.jp/dictionary/psychological-safety/#:~:text=%E5%BF%83%E7%90%86%E7%9A%84%E5%AE%89%E5%85%A8%E6%80%A7%E3%81%A8%E3%81%AF%E3%80%81%E8%8B%B1%E8%AA%9E%E3%81%AE%E3%80%8C%E3%82%B5%E3%82%A4%E3%82%B3%E3%83%AD%E3%82%B8%E3%82%AB%E3%83%AB%E3%82%BB%E3%83%BC%E3%83%95%E3%83%86%E3%82%A3,%E3%81%AE%E3%81%93%E3%81%A8%E3%82%92%E3%81%84%E3%81%84%E3%81%BE%E3%81%99%E3%80%82
仕事にとってなぜ心理的安全性が必要なのかですが、かつてGoogleが行った生産性向上計画「プロジェクト・アリストテレス」において自社のチームの生産性を分析した結果、他者への心遣いやどのような意見も安心して発言できるという心理的要素が生産性に影響しているという発見があり、ここから心理的安全性が仕事のパフォーマンスに影響するということにつながっています。
問題は目に見える成果の評価だけで心理的安全性につながるのかということです。
心理的安全性は所属欲求や承認欲求から来ていると考えられていますが、成果の評価だけではそのチームに所属しているという感覚や自分が行っていることや考え方が承認されているという意識には必ずしもつながらないでしょう。
逆に、上司との会話が全て仕事だけである場合には「どんなことを話しても良い」という安心感にはつながらないと思われ、ある意味逆効果とも言えます。
リモートワークでも心理的安全性を高めるために
リモートワーク環境下でも高いパフォーマンスを出してもらうには心理的安全性を部下に感じてもらうことが必要です。
そのためには「どんな話をしても良いんだ」という雰囲気作りが必要です。
例えば
- 部下の言っていることに耳を傾け、それを否定しない
- 上司みずから、仕事以外の話題を積極的に振り向ける
- 時間が空いていたらいつでもミーティングを設定して良い
など、部下が警戒せずリラックスして上司に接することができる環境作りが必要です。
一見遠回りのように見えて、実は信頼づくりからアプローチすることが、本来の成果につながるのです。
最後に
新型コロナウィルスの影響によってビジネスの環境は大きく変化しました。
単に変化しただけではなく不確実性が常態化する世界が訪れたと言っても良いと思います。
そのような環境の中で真にパフォーマンスの高いチームを作るためには成果だけにこだわるのではなく、土台となる信頼作りにフォーカスするべきです。
皆さんにとって何かしらの参考になれば幸いです。
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