この記事の内容
企業や大物起業家がシリコンバレーから転出
Teslaの創業者かつ複数のスタートアップの起業家であるElon Muskがシリコンバレーからテキサスへと拠点を変えました。
シリコンバレー生まれの企業の代表格であるヒューレット・パッカード社の法人部門であるHewlett Packardもヒューストンに移転します。
そしてオラクルもオースティンへと本社を移すと発表しました。
これらの転出はシリコンバレーがかつてのイノベーションセンターとしての力を失っているということなのでしょうか?
新型コロナによるリモートワーク常態化がきっかけか
新型コロナウィルスによるパンデミックにより各地域ではロックダウンが実施されています。
これにより世界中でリモートワーク導入が加速されました。
全世界でリモートワークが常態化することにより人脈ネットワークの地理的優位性は薄まっていきます。
シリコンバレーは高給取りのビジネスパーソンやエンジニアが集結した結果として不動産価格が高騰し、住居費を中心に生活が苦しくなりつつありました。
そのような中で地理的なメリットが薄まり、シリコンバレーからの転出を誘発したという説があります。
しかしながら、理由はそれだけではないようです。
環境変化や州政府による政策不全
環境破壊による地球温暖化の影響はカリフォルニア州にも現れています。
とくにこの数年は空気の乾燥による山火事が頻発し、住環境やそもそもの安全性にも大きく影響を与えていました。
また、サンフランシスコではホームレスの数が急速に増加、非合法ドラッグの摘発も増え、とても先進的な都市とは言えないような状況になっていたという事実もあります。
このような状況に嫌気をさして異なる環境を選んだという要素も指摘されています。
米中貿易戦争が影を落とす
シリコンバレーから米国内への他の都市への転出という点においては全く関係ありませんが、米中貿易戦争の影響についても指摘しておきましょう。
中国に先進的な技術を開示できなくなった昨今の環境においては、シリコンバレーで開発される先進的な技術は基本的に米国のためだけにあります。
シリコンバレーは世界中から才能のあるエンジニアが集まり、その知の集結によってイノベーションを励起する場であったのですが、少なくとも今後はグローバルの色は少し褪せていくでしょう。
米国人同士のコラボレーションであればシリコンバレーでなくても可能です。
この米中貿易戦争による影響も無視できないでしょう。
最後に
シリコンバレーは今後もイノベーションセンターとしての輝きを保ち続けるのでしょうか?
バイデン政権において変化は見られるのか。
今後もこの動向に目が離せません。
皆さんにとって何かしらの参考になれば幸いです。
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