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米国ミレニアル世代に起こる変化
このパンデミックを通じて米国のミレニアル世代と呼ばれる若年層に変化が起こってきました。
端的に言うならばキャリアを追求することから離れて自由に生きる生き方を模索する動きが広まっています。
この動きはYOLO=「You only live once」として呼ばれています。
この言葉は、退屈さを感じている一定層のサラリーマンを表す言葉としてこの数ヶ月の間に広まってきました。
パンデミックはまだ終わっておらず、すべての人が警戒心を捨てて行動できるわけではありません。
しかし、経済的に余裕があり、かつ、ポストコロナ時代向けに需要があるスキルを持っている人が増えてきており、2020年時点で不安を持っていた人たちの恐れは随分と緩和してきました。
企業も対応を迫られるYOLOのトレンド
2021年の支配的な感情が「倦怠感」だとしたら、今年の米国の職場におけるトレンドは「YOLOing」かもしれません。
マイクロソフト社の最近の調査では、全世界の労働者の40%以上が今年中に仕事を辞めようと考えていることがわかりました。
技術者に人気のある匿名のソーシャルネットワーク「Blind」では、ユーザーの49%が今年中に新しい仕事に就く予定であることが最近わかりました。
従業員の流出を恐れる企業は、モチベーションを高めて燃え尽き症候群を防ごうとしています。
たとえばLinkedIn社は最近、従業員の大半に1週間の有給休暇を与え、Twitter社は「#DayofRest」と呼ばれるプログラムのもと、月に1日、充電のための特別休暇を与えています。
Credit Suisse社では、若手銀行員に2万ドルの「ライフスタイル手当」を支給し、同じくウォール街の企業であるHoulihan Lokey社では、多くの従業員に経費まで含めた「費用全額負担」の休暇を与えています。
従業員の中には、昇給や休暇があるからという理由でそのまま残りたいと思う人もいるでしょう。
しかし、別種の従業員にとっては、停滞こそが問題であり、本質的に変化することこそが唯一の解決策なのです。
経済力が後押しするYOLOのトレンド
お金に余裕があり、現実に幻滅した労働者は、いつでも自分探しをしています。
貯金を使い果たしたり、新しい事業が失敗したりしても、安定した仕事に戻れる「YOLO人」もいるかもしれません。
しかし、キャリアの階段にしがみついて、リスクを回避しながらキャリアを志向するタイプの人たちにも、このYOLO精神が伝染しているようです。
最近では、リスクを取る余裕のある人が増えてきたことも理由の一つです。
景気刺激策や失業手当の増額、株式市場の活況などにより、多くの労働者がより大きなセーフティネットを手に入れました。
多くの分野で深刻な労働力不足に直面しているため、その分野の労働者は必要なら簡単に新しい仕事を見つけられます。
米国の求人数は2021年2月に2年ぶりの高水準になりましたが、経済学者や企業経営者は、パンデミックの間じっとしていた労働者が市場に出てくることで、今後数ヶ月間にさらに離職率が高まると予想してます。
パンデミックによって加速するYOLO化
Indeed.comのチーフエコノミストであるJed Kolko氏は、「パンデミックの間、多くのことが保留されていた」と述べています。
「1年間溜まっていた大きな生活の変化が今、加速し始めているのです」と述べています。
好況時の転職活動に加えて、パンデミックの影響でリモートでの仕事が増え、沿岸部の大都市以外でも雇用してくれる企業が増えました。
これにより、ハイテクや金融などリモートワークに適した業界の従業員は、現在の勤務先に対してより多くの要求を出せるようになりました。
著者であり、マネジメント研修会社Raw Signal Groupの共同設立者でもあるJohnathan Nightingale氏は、「従業員は今後18〜48ヶ月の間に、これまでにないほどの交渉力を手にすることができる」と語ります。
もちろん、すべての燃え尽きた労働者が辞めるわけではありません。
しかし、余裕のある多くの人にとって、冒険することは空気のようなものです。
最後に
パンデミックは皮肉にも多くのオフィスワーカーに経済的自由と雇用の安定性をもたらしました。
その中でさらに自らの人生の意味を問い、自分自信の歩むべき道を模索する人が米国では増えています。
そしてそのトレンドはYOLO=You only live once(人は1回しか生きられない)として米国の職場で広まりつつあります。
日本でもおそらくこのようなトレンドが加速するものと予想します。
皆さんにとって何かしらの参考になれば幸いです。
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