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仕事のパフォーマンスにとって欠かせない「仕事の意義」とは
仕事に意義を感じるかどうかが従業員のエンゲージメントにとって重要であることは周知の事実です。
調査によると、従業員が自分の仕事に意義があると感じると、パフォーマンスが33%向上し、組織へのコミットメントが75%高まり、離職率が49%低くなることがわかっています。
さらに、過去30年の間に、アメリカ人の場合には、仕事の最も重要な要素として1. 収入、2. 雇用の安定性、3. 労働時間の長さに次いで、意義のある仕事を挙げています。
その重要性の高さにもかかわらず、最近の学術論文によると、近年、仕事に意義を見出している従業員はわずか50%にすぎないと言われています。
従業員が仕事に意義を見出すには、その人の性格や仕事の構造など、さまざまな要因があるからです。
しかし、普遍的に使える戦略があります。
それはみずからの仕事のインパクトを従業員に見せることです。
1つの戦略が常に万能というわけではなく5種類のアプローチがあります。
リーダーが、1. 社会、2. 会社、3. 顧客、4. チーム、5. 個人の成功という5つの分類にまたがる仕事のインパクトを強調することで、社員はより大きな意味を感じられるようになるのです。
仕事の意義を見出す5種類の方法
1. 社会へのインパクト
社会への影響に意義を見出す人は、自分の仕事が地域社会や環境、そして人類にとって有益であることにエネルギーを感じます。
このような意味づけは、看護師や教師などの特定の役割に限定されるように思われるかもしれませんが、動機付けの社会的理論によれば、これはもっと一般的な現象であり、人は不特定の誰かのためになることであれば、常に努力を惜しまないとされています。
例えば、1970年代の宇宙開発競争の中で、自分の仕事を「月に人を乗せること」と表現したNASAの清掃員がいました。
2. 会社への貢献
会社に意義を見出す個人は、所属する組織が業界のリーダーとなり、優秀な人材を集め、株主に成果をもたらし、評判を維持することに貢献することを原動力とします。
心理学の理論によると、ある個人は組織との絆を築き、その規範、ビジョン、価値観を自分のアイデンティティの一部として位置づけることがわかっています。
このような場合、組織の成功は個人の成功にもつながります。
3. 顧客への貢献
お客様の期待を超えること、お客様の生活をより良く、より簡単に、より安全にすること、「クラス最高」の製品やサービスを提供することなど、お客様への影響から意味を見いだす人もいます。
仕事のデザインに関するマネジメントの研究によると、顧客に影響を与えたり、顧客と接触することで、努力、持続性、助けたいという意欲、能力や自己価値の認識が高まることがわかっています。
4. チームへの貢献
チームから意味を見いだす人は、パフォーマンスの高いグループで働くこと、心理的に安全な環境を作ること、そしてチームメンバーに力を与えることを原動力としています。
彼らは毎日職場に来て、一緒に働く仲間と肩を並べて困難な問題を解決することを楽しみにしています。
これは「近接効果」によるもので、社会学の理論によると、従業員は身近な人の行動をどう解釈すべきかの手がかりを得ることができるとされています。
そのため、職場では、チームが個人の仕事の進め方に大きな影響を与えます。
5. 個人の成功
個人は、自分の成長と成功を可能にする経験を通して意味を見出します。
これには、貢献が認められること、成長する機会があること、充実した役割を果たしていること、自分のベストな状態で仕事ができることなどが含まれます。
その背景には、自己決定論があります。
これは、他のモチベーション理論と同様に、自律性、有能感、関係性という3つの欲求が満たされたときに、内発的なモチベーションが得られることを示唆しています。
個人的な成功を目指すことは、この3つを満たすことが重要です。
最後に
報酬や労働環境と同様あるいはそれ以上に、仕事の意義を各従業員に与えることがますます重要になってきました。
個人によって仕事の意義をどこに感じられるかは異なりますが、それの感度をみながら適切なアプローチを採ることが必要です。
皆さんにとって何かしらの参考になれば幸いです。
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