第三者との関係をあてにした提携には気をつけよう

経営戦略
Gerd AltmannによるPixabayからの画像

提携相手が持つ重要顧客やパートナー企業に魅力を感じるか

あなたの会社がA社と提携関係にあるとします。

A社にはB社という優良顧客やC社という販売パートナー企業がいます。

これら顧客B社やパートナーC社はもしかするとA社との提携によってあなたの会社とも関係を持てるかもしれません。

そのようないわゆる第三者に魅力を感じることがある企業関係者の方、提携のマネジメントに携わる方は多いと思います。

すなわち、第三者であるB社・C社もまたA社と提携する潜在的な目的として位置付けていることがあるでしょう。

提携によってその関係自体が手に入るわけではない

しかしながらA社と提携関係ができたからと言って、さらにその向こう側にいるB社・C社との関係が自動的に手に入るわけではありません。

B社・C社はあくまで第三者であり、A社に所属しているわけではないのです。

A社との提携を考える上ではこの事実を正しく認識することが必要です。

第三者との関係を見越した提携の価値算定は危険

逆に「B社・C社と関係が持てるだろうからA社との提携にこれくらいのコストを使っても良いだろう」という、第三者の価値を見越した提携の価値の見極めは危険です。

何度も繰り返しますが、この場合のB社やC社はあくまで第三者であり、A社の所有物ではありません。

第三者が無条件に手に入るわけではないということ、逆にそれを織り込んだ提携の付加価値の設定は危ないと言えます。

提携相手が持つ他社との関係性を正しく評価するために

では第三者の価値については全く無視すべきということかというとそうでもありません。

それは潜在価値としては見込むことはできますが、ただし正しい評価が必要です。

A社と第三者との関係を正しく価値算定するためには、A社と第三者がどのような関係にあるのかをよく理解することが必要です。

筆者が経験した戦略提携の議論では、提携相手 R社の開発パートナー D社と共同開発した先進的な技術知財を活用できるというテーマがありました。

このメリットは提携相手 R社から提案されたものなので筆者としては、これは期待できるはずと思っていたのですが、蓋を開けてみれば、その技術知財はほぼD社の所有物であり、R社にはコントロールできないものであることがわかりました。

R社はそもそも自身でコントロールできないものを提携のテーマとしてテーブルに乗せていたのです。

筆者は自分自身の見立ての甘さに自己嫌悪になりましたが、今となってみれば良い経験です。

最後に

第三者との関係がときに提携のトピックとして魅力的なアイテムになることがありますが、その際には本当にそれが実行可能なものなのかを冷静な目で見ていただきたいと思います。

皆さんにとって何かしらの参考になれば幸いです。

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