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B2B事業において顧客規模別区分は営業戦略の根幹
B2Bいわゆる法人向け事業において顧客を規模ごとにカテゴリー分けするのは営業戦略を立案する上での基本となります。
なぜならば大企業・中堅企業・中小企業・零細企業・個人法人はそれぞれその購買行動において違う挙動をするからです。
まず企業規模で分解して、それぞれへの対応を行うことは営業戦略としての基本動作と言えるでしょう。
大規模顧客および小規模顧客の戦略には選択肢の違いはほぼ無い
企業規模別のカテゴリー分類を行う場合、あまり考慮に苦労しないのは大企業と中小・零細企業でしょう。
大企業の行動特性は比較的ハッキリしており、またどのような企業を大企業として定義付けるかもあまり議論の余地がないと思います。
同様に中小・零細企業についても議論の余地があまり無いと考えられます。このような企業の場合は代理店などを経由して間接的に取引している企業も多いでしょう。なので代理店政策として扱われることが多いセグメントと解釈できます。
このように「大きい」ところと「小さい」ところは特に戦略的には、あまり選択の余地がない、戦略オプションとしてははっきりしている領域と考えられます。
難しいのはどちらにも定義できない中規模顧客の戦略
戦略的に議論が難しい領域はその間の領域、すなわち中規模顧客の戦略と考えられます。
このセグメントの顧客の場合、大規模的な組織行動をとりながらも、あまり個別性を重視すると取引効率が下がってしまうという問題があります。
このセグメントに対して効率を高めて利益率を高めながらしっかりとビジネスを取っていく戦略を作ることは簡単なことではありません。
そもそも「中規模」の定義をどのように行うかも非常に難しいというよりも人によって大きく定義が変わるものと想定されます。
したがい、このセグメント、中規模セグメントの戦略策定は困難なのです。
対応を一様にできない集団への対応をどう集団戦として組織するか
上記で述べたように中規模顧客の挙動は一様性が期待するほどはなく、個別性が高い反応をします。
それ故、その個別反応に対応するためのリソースや提供物を用意する必要が出てきてしまうのです。
一方、組織効率を高めるためにはこの一様性のない集団に対して一群の顧客として対応するためのグループ化が必要になります。
それはパッケージ化されたサービスなのか、コールセンターのようなインフラなのか、フレキシブルな対応ができる代理店なのか、さまざまなオプションがあると思いますが、ポイントは効率化と集約化を両立させるための戦略オプションです。
この対応が上手くできる組織は戦略でも、その実行においても「巧者」と呼べるでしょう。
最後に
筆者はB2B事業を手掛ける会社に何社か勤めましたが、この中規模サイズ顧客への対応はほぼ毎年議論に上がり、そしてあまり上手い解決が見つからないままその翌年に持ち越されるということを繰り返しました。
それほどに対応を定義付けすることが難しいセグメントであり、だからこそこの中規模顧客への対応がうまい企業は戦略的にも秀でた企業といえると思います。
皆さんにとって何かしらの参考になれば幸いです。
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