Web対応進化を阻むチャネルパートナーという抵抗勢力

事業運営
Fathromi RamdlonによるPixabayからの画像

ハードウェアの販売チャネルは大きく分類すると3種類

企業向けハードウェアの販売を行う際の販売チャネルの分類は大きくわけると3種類あります。

  1. 直販(直接販売)
  2. チャネル販売
  3. Web販売

直販は販売元であるメーカーと購入先である顧客が直接の取引をするというものです。

特に大口顧客向けにサービスレベルを向上させることを目的としてこのような販売チャネルとすることが多いです。

チャネル販売は代理店やリセラーあるいは特約店と呼ばれるチャネルパートナーを通じて販売する形態のことです。

中小企業顧客向けに効率良く販売するあるいは他社の商材と組合せて販売するなどの場合にこのような販売形態を志向することが多いです。

他社の商材との組合せとは、例えばサーバーとネットワーク機器を組合せたり、コピー機とパソコンを組合せたりなどのような形態です。

特に中小企業はITリテラシーが低い企業が多いので、全て面倒を見るソリューションを提供することによって価格の不透明性を増し、利益の高いビジネスを行うことにも貢献しています。

最後にWeb販売ですが、これはWeb上のチャネルを用いて販売するものです。

自社のWebでの販売を行う場合もありますが、例えばAmazonや楽天といったECモールを活用した販売も含まれます。

もちろんのことながらWeb販売が最も伸長している分野となります。

チャネル販売ではパートナーをどのように組織化するかが課題

チャネルパートナーはパートナーであって他社です。

当たり前ですが他社は他社であって自社ではありません。

この他社をどのようにして自社が思うように動かすか、すなわち他社の戦力を組織化するか、これが最も重要です。

そこにはインセンティブ制度や動機付け、日頃からの戦略のすり合わせやそのためのコミュニケーションや関係づくりなど、考慮すべき要素が多岐にわたります。

多くのメーカーが、このチャネルパートナーのマネジメントをどうすべきかについて日々腐心しているのではないかと思います。

チャネルパートナーへの依存度の高さはすなわち自由度の低さ

優秀なチャネルパートナーがいる場合、そのパートナーの能力のおかげで事業としては成長することができます。

一方で、そのパートナーを十分にコントロールすることができていなければ、それはそのチャネルパートナーへの依存となります。

そのような依存関係はいずれチャネルパートナーを怒らせることは一切できないという自由度の低さにつながります。

この状況は多くのメーカーにとって潜在的な問題となる可能性を孕んでいます。

世の中がWeb対応に移行してもパートナーはその障害となる

チャネルパートナーへの依存が問題になる具体的にはWebへの対応です。

冒頭でもコメントしたように、Webは現時点最も高速に伸長している分野であり、多くの企業あるいはメーカーにとって急速な対応が必要な分野です。

しかしながらWeb販売はチャネルパートナーの支援となることもあれば、むしろチャネルパートナーの競合となることもあります。

もし、Web販売で売っている製品の価格がチャネルパートナーが顧客に出している価格よりも低かった場合には何が起こるでしょうか?

顧客はチャネルパートナーに対して不満を持ち、そのままWebへの販売へと流れます。

メーカーの戦略としては正しいかもしれませんが、チャネルパートナーはメーカーに対して反発します。

この状況においてメーカーは身動きが取れなくなります。

すなわち、チャネルパートナーを怒らせるようなWeb販売の施策が行えないということになります。

すなわちチャネルパートナーはWeb対応の大きな障害となり得るのです。

時期をみた改革の意思と実行が必要

企業経営としていつまでも時流に乗り遅れた施策を行うわけにはいきません。

Webへの対応を加速するのであれば、どこかで舵を切る必要があります。

新型コロナ感染症の蔓延による自粛はビジネスとしてはネガティブですが、このような改革を押し切るには好機と言えます。

改革に対してはっきりとした意思をもち、断固たる実行を行うことで時流に合う企業の姿へと変化しましょう。

最後に

筆者がこれまでに見てきた企業も、チャネルパートナーのことを慮って時勢に合わせた変化ができずにいるところが何社もありました。

これを推し進められるかどうかは経営者の腹積もりいかんです。

本当に企業を発展させるための判断は何か、断固たる判断と実行が必要です。

皆さんにとって何かしらの参考になれば幸いです。

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