交渉相手のキャリア動機を想像せよ=天皇山を掌握するために

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交渉時に相手から突きつけられる要求の数々

ビジネスの現場では交渉が行われることは日常茶飯事です。

交渉の際にはお互いの要求をぶつけ合うわけですから、相手方からさまざまな要求が突きつけられるのも当然のこととして起こります。

価格を下げろ、資料を出せ、サービスを上げろ、スペックを上げろ、デリバリーを早くしろ、契約の条件を変えろ、などなど各種の要求が出てきます。

皆さんはこれらの要求がどのような動機によって発生しているか考えたことがありますか。

交渉相手からの要求には重み付けがあり背景がある

交渉時の様々な要求には、どれが重要でどれが重要ではないという軽重があります。

そしてそれぞれの要求には必ずその背景があります。

当然ながら相手方の企業の利益になるからというのが一義的な理由ですが、その奥へ奥へと掘っていったことがありますか?

相手方の企業にとって利益のあっても交渉相手のその方、その人間が儲かるわけではないことも多いと思います。

であれば、目の前にいるその交渉相手は、誰かから認められるためにその交渉をやっています。

であれば、その人は何によって認められるのか。

交渉相手という人間の本質的な欲求は何か

交渉時には交渉相手の人間の本質をえぐり出すことが必要です。

その人がその企業で働くモチベーションは何か、誰の意向を気にしているのか、どのような立場・役割を担っていて、どのように認めて欲しいと思っているのか。

それらの個別の欲求に対して、交渉条件がどのようにプロットされているのかをよく考えて行きましょう。

必ずしも全ての条件が並列ではなく、その相関性や優先順位が見えてくるはずです。

交渉相手の欲求を満たすための手段は他に存在するか

ここで俯瞰した目で状況を見つめ直してみましょう。

交渉相手の組織における欲求を満たすための手段は交渉の条件変更だけなのかと。

すなわち、上司から認めて欲しいことがその相手の欲求であるならば上司から認めてもらうための手段を他に探してみることです。

財務的な条件を引き出すためであれば、交渉のテーブルに乗っていない取引も持ち出してみる。

相手の人間としてのニーズを満たすための手段を交渉の条件闘争以外に探してみることは、翻って交渉を上手く運ぶために必要な鳥瞰図となり、すなわち戦場を俯瞰するための天王山を掌握することとなります。

交渉を巧く運ぶために人生を透視する

交渉を巧く運ぶために相手方の欲求を理解することが必要と申し上げました。

それを極めることは、すなわち相手方のキャリア人生を透視することに他なりません。

交渉とは相手方の人生の透視である、筆者は常日頃そのように考えて交渉現場に当たっています。

最後に

交渉の際には相手から出てくる要求やその事象への対応ばかりが気になり、本当に交渉に勝つことから視座が離れてしまうことが多いと思います。

少し引いた目で俯瞰することによって交渉を巧く運ぶ手段はないか、常にそれを問い続けて欲しいのです。

そのためには相手方がどのような人間であるか、どのようなキャリア人生を求めたいのかを透視することを心がけるのが良いと思っています。

皆さんにとって何かしらの参考になれば幸いです。

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