この記事の内容
大規模な企業組織にとって戦略策定は非常に重要な活動
大規模な企業になればなるほど使える経営資源(ヒト・モノ・カネ)は多くその配分には多くの選択肢が存在します。
その大量の選択肢の中から最適なものを選び出し実行していくためには経営戦略の議論と合意形成は非常に重要なプロセスとなります。
戦略・戦術がちゃんと理解されていなければ大規模な軍隊を動かせないのと同様に、しっかりとした戦略がなければ大企業もまたちゃんとした行動ができないのです。
毎年同じ問題を議論し同じ戦略を作る企業は多い
筆者は職業柄、そして過去の経験から、多くの企業における戦略策定の現場を拝見してきました。
しかしながらそこから言えることは、多くの企業が毎年あるいは毎サイクル、同じ経営課題を問題提起し、そして同じ様な経営戦略を作るということです。
そう前回と同じ議論、同じ結果。
すなわちこの1年あるいは前回からの期間、何をやっていたのでしょうか?
ここに大企業における戦略実行の難しさがあります。
はっきりと言えることは、これは戦略の問題ではなく実行の問題です。
一度決めた戦略が実行されていない。
そこに最大の課題があります。
戦略がオペレーションに転換されていないことが本当の問題
繰り返し同じコメントをしますが、この場合においては戦略そのものは問題ではありません。
戦略がオペレーションに転換されていないことが問題です。
皆さんは不思議に思うかもしれません。
「なぜ決めたことをやらないのか」
これには理由があります。
戦略変更は大規模は日常業務の変更を伴います。
大企業における日常業務は緻密にループが組まれているので、簡単に変更できません。
日常業務に変更を加えるだけの強い力をかける必要があります。
往々にして大企業においてはこの日常業務の重さ、この慣性を打破するために必要な力積の大きさがわかっていません。
戦略を作った後は「やっといて」で動くと思い込んでいるのです。
日常業務を変えるためのプロジェクトを実行しよう
そう、戦略に沿った形へと日常業務を変えるためには大きな力を違う角度から強く強くかける必要があります。
単なる日常業務の中での心がけ程度では全く不十分です。
日常業務を動かすための人員投入、短期の人員投入、すなわちプロジェクトが必要です。
戦略だけでは不十分です。
日常業務を動かすためのプロジェクトを伴ってこその戦略意思決定ができます。
最後に
毎年同じ戦略を作って、毎年ダメだったという無力感に覆われている企業をいくつもみてきました。
ひどい場合には毎年同じトピックで経営コンサルタントにフィーを支払っているケースも。
戦略を実行に落とし込むためにはそのための仕掛け作り=日常業務の変更を目的としたプロジェクトが必要です。
皆さんにとって何かしらの参考になれば幸いです。
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