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事業環境が厳しいときには難しい判断がつきもの
世界的な不景気や、戦争やテロによる経済活動の減退など、長い間事業を営んでいれば事業環境が厳しい時期は必ず来ます。
そのような事業環境が厳しい時期においては、その危機を乗り越えるために厳しい施策を実行することも必要です。
たとえば事業の中止や売却、人員の削減、工場やオフィスの閉鎖などです。
事業を行っていればこのような厳しい施策の判断そして実行は経営者にとっては必ずついてくるものです。
経営者は全てのステークホルダーのバランスを取るのが仕事
経営者の仕事はもちろんのこと企業を運営して経済的に発展させていくことです。
しかしながら、短期的な利益ばかりを追求した事業運営をしていて経営者の仕事が務まるわけではありません。
企業を持続的に維持・成長させていくためには企業にまつわる各種ステークホルダーからの賛同・支援を得ることが非常に重要になってきます。
例えば、株主、銀行、従業員、サプライヤー、顧客など、それぞれの利害の志向は異なります。
このような複雑な利害関係者のバランスを保つことができなければ長期的な企業の運営は難しいでしょう。
従業員は守りたくても守れないこともある
事業環境が厳しい時期においては、これらの重要なステークホルダーの1つである従業員は守れないことがあります。
もう少し詳しく述べるならば、全ての従業員を守ろうとする、すなわち全ての雇用を維持しようとすると会社自体が維持できなくなり、結果として全ての雇用を失ってしまうということです。
ある一定の雇用を守るためにはある一定の雇用を捨てざるを得ない。
これが経営者が行わなければならない判断の本質になります。
もちろん、従業員個人から見れば「なぜ自分が雇用を奪われなければならないのか」という思いがあるでしょう
だからこそ経営者の判断は重く、経営者が発する言葉もまた重くならざるを得ないのです
困難な選択肢を判断して実行し会社を継続するのが責任あるということ
多様なステークホルダーは多様な価値観を持ち、企業に求めることも多様です。
それらを一度に同じようにかなえることはできません。
ある側面を重視すれば他の側面は奪われます。
このような困難な選択肢の中で判断し、そして最終的には企業を長期的に発展させていくのが経営者の最も重要な仕事となります。
この難しい判断を行い実行できるかどうかが責任ある経営かどうかということだと思います。
最後に
筆者はこのような難しい判断を強いられる企業やその経営者たちを何度も近くで見てきました。
そのような判断はアドバイスは誰かからもらうとしても最後は経営者一人で行わなければならず、それは孤独な作業です。
しかしながらその孤独に打ち勝って難しい判断を行える経営者は真に責任のある経営者と呼べるのだと思います。
皆さんにとって何かしらの参考になれば幸いです。
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