従業員が経営者の視点を持っていないと嘆くのは愚の骨頂

事業運営
David MarkによるPixabayからの画像

よく聞かれる「部下に経営者視点が足りない」という苦情

トップ・マネジメントの方とお話しているとよくこのようなコメント・苦情が聞かれます。

「うちの社員には経営視点がないんだよ」

これは頻繁に聞かれる苦情なので、多くのマネジメント層にとって共通の悩みといえるでしょう。

しかし、この悩み・懸念、本当に正当なものでしょうか?

筆者はちょっと違うのではないかと思っています。

経営者視点を持てる人間が従業員でいることを享受するか

会社の従業員である人間は従業員であることをキャリアとして選択した人間です。

これは言ってみれば当たり前の話ですが、従業員になりたかったから従業員なのです。

ごくたまに、経営者になりたくてその過程として従業員を選択している人がいますが、よほどしたたかか、単なる「腰掛け」としてそのポジションを選択していると言えるのではないでしょうか。

すくなくとも経営者の視点を持って経営者になりたいという人が従業員になるという選択をするということはあまり自然な考え方ではありません。

従業員で有り続けることで経営者視点が育つか

また、従業員を継続していればいずれ経営者視点が育つのでしょうか。

筆者の答えはNoです。

従業員はある特定の領域に対して成果を出すことを求められており、そこは「経営からの指示・方針に従って」という前提が付きます。

もし様々な従業員が「自分の経営方針は今の社長とは違う考えだ」と言い出して、そこら中で違う方針を述べたとすればその会社はどうなるでしょうか。

「従業員に経営視点を持って欲しい」という願望は「従業員にも自分と同じ視点を持って欲しい。ただし自分の言うことを聞け。」というとてもわがままなつぶやきに過ぎません。

従業員により高い視点を植え付けるためには

それでも、従業員にもより高い目線、よりマネジメントに近いものの考え方をして欲しいと思うことはあるでしょう。

その場合、わかってくれないと嘆くのではなく、できるだけ同じ視野を共有することだと思います。

いま経営者として世界がどのように見えていて、何に困っている、何に悩んでいる、その上でどのような行動を取ろうとしているということをしっかり伝えていくことだと思います。

しかもそれは一度では済みません。

なんどもなんども、従業員が「もう耳にタコ」と思うくらいまでしつこくコミュニケーションを取ることが必要です。

経営としての視点を持っていないことを嘆くのではなく、経営的視点を持っていないことを当たり前として、その人達にどう伝えられるか。

最後に

「うちの社員はわかっていない、わかってくれない」というコメントは経営者としては甘えだと思います。

従業員が普通に経営的視点を持つことは矛盾・無理です。

しっかりと自身の視野を伝えていくことが肝要でしょう。

皆さんにとって何かしらの参考になれば幸いです。

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