この記事の内容
紹介会社経由での個別インタビュー方式
昨日は海外籍のスポットコンサルティング紹介会社から紹介されたコンサルティングプロジェクトのインタビューでした。
今回の紹介会社もグローバルな紹介会社でした。
特にマーケットシェアが大きい会社で、かつ紹介してくれる案件も良質なもの、筆者のスキルに適合したものが多く、「これは断るべきかな」と思うものが少ないという特徴があります。
どのように行っているかわかりませんが、案件とエキスパートのマッチングをAIで行っているのでしょうか。
今回は米国、おそらくは東海岸(インタビュー相手のプロファイルについては紹介されない)の相手だったので深夜の時間帯に英語で行われました。
相手は1名で業界のことを非常によく勉強されている方でした。
おそらくは投資会社のアナリスト等ではないかと想定されます。
主題は電子部品メーカーSOについての事業特性や企業価値
今回は投資を目的とした単一企業のリサーチ目的のインタビューでした。対象は電子部品メーカーのSOです。
SOは米国の上場企業でコモディティ系の製品群で知られる企業です。
特定企業に関するリサーチインタビューですので、インタビューの前には非公開かつ対象企業の株価に直接的影響を与える情報を開示しないように注意が行われます。
質問はこのSOの現在の事業モデルの意義や競合との比較、そしてこの事業モデルを競合企業のように変化させた場合の問題やあるいは価値貢献の可能性についてです。
実は筆者はSOに関する問い合わせを過去に何度か受けていたので、今回のインタビューは非常に取り組みやすかったです。
垂直統合型ビジネスモデルの是非について
今回のインタビューの論点はズバリ
「なぜSOは他の競合企業のようにファブレス化せずに自社工場ばかり使いたがるのか」
でした。
確かにSOの競合企業を見てみるとファブレス企業が多く、SOのビジネスモデルは奇異に見えます。
いくつかの側面で見てみましょう。
上記の論点は今回のインタビューにおいてインタビューアーから問題提起されました。
どれも良くポイントを突いた質問で、筆者としては議論を楽しむことができました。
1つ目の顧客の問題についてです。
確かにSOには自動車顧客が多く、顧客から承認を必要とする工場変更には大きな労力が伴います。
このようなトラブルを回避するためにずっと自社工場にこだわり続けるという戦略は有りえますが、自動車顧客だけではSOのビジネスは成立しないのでそこの割り切りが難しいところだと思います。
2つ目の製品の問題です。
SOが持つ製品は生産技術によって特性が大きく変わるものが多いため、製品の差別化のためには委託先工場は使えないという考え方です。
これは大いにあり得る考え方ですが、一方でSOの競合企業も同様の製品を抱えながら委託先工場を活用しているのでSOだけが特別ということはないと思われます。
3つ目のビジネスモデルの問題です。
委託先へのマージンを払いたくないという問題はありますが、自社工場の場合には不定期な設備投資や、設備投資を行ったものの需要が来ないなどの問題も発生するので一概にどちらが正しいということは言いにくいと思います。
むしろこの問題は自社工場を持つことによる問題の方が大きいように思います。
最後に
今回のインタビューは、ファブレスというビジネスモデルの本質に切り込んだ非常に内容の濃いもので、インタビューアーの見識の深さについても感嘆させられるものがありました。
また、投資アナリストから見た場合の企業分析がどのように行われているかについても様々な視座を学ぶことができ、非常に興味深かったです。
皆さんにとって何かしらの参考になれば幸いです。
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