大学発のベンチャーキャピタルについて: 日本の産業の原動力になりうるか

ベンチャーキャピタル
TumisuによるPixabayからの画像

米国の大学は研究が富を生み出す

米国の大学は寄付金などの基金を活用して投資を行っています。

その投資の対象の1つがベンチャー企業です。

場合によっては事業化される以前の研究中の技術だったりする場合もありますが、シードと呼ばれる起業したての起業への投資が多く含まれるのがこのような大学ベンチャーキャピタルの特徴です。

日本の大学の研究を富につなげるためには

日本の場合には産官学の連携の必要が叫ばれて久しいですが、確かに大学と企業の間の連携は増加してきています。

しかしながら、技術をベンチャー企業として事業化するにはまだまだビジネスとしてサポートできるだけの機能が大学には備わっていないのも事実です。

加速してきた大学VC(ベンチャーキャピタル)

これらのギャップを埋めるために大学ベンチャーキャピタルが設立されてきました。

これは安倍政権による大学発ベンチャーを後押しする政策にもサポートされているものです。

具体的にどのようなベンチャーキャピタルがあるのか見てみましょう。

大学名ベンチャーキャピタル名設立年ファンド規模
東京大学株式会社東京大学エッジキャピタル (UTEC)2004年300億円
東京大学東京大学協創プラットフォーム開発株式会社2016年250億円
大阪大学大阪大学ベンチャーキャピタル株式会社2014年118億円
京都大学京都大学イノベーションキャピタル株式会社2014年160億円
京都大学みやこキャピタル株式会社2015年60億円
東北大学東北大学ベンチャーパートナーズ株式会社2015年100億円
東京理科大学東京理科大学インベストメントマネジメント株式会社2014年40億円
慶應義塾大学慶應イノベーション・イニシアティブ2016年45億円

ほとんどの大学発ベンチャーキャピタルの設立年が2015年近辺に集中していますね。

規模としては東京大学と京都大学の2校が突出しています。

必要なのはお金よりも人材

しかしながら問題はお金の多寡よりも事業化をできる人材の有無です。

技術を見て市場の可能性と検討し、それを事業につなげていくためのシステム(ここでは情報システムではなく事業体系の意味)を構築し、そして実際に事業として実行する

それは人間のスキルであり、人材がなければ成立しません。

最後に

大学のベンチャーキャピタルは先進的な技術を事業につなげる可能性を秘めた仕組ですが、やはりこれを絵に描いた餅にしないためには人材が集まる仕組が必要です。

皆さんにとって何かしらの参考になれば幸いです。

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