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米国の大学は研究が富を生み出す
米国の大学は寄付金などの基金を活用して投資を行っています。
その投資の対象の1つがベンチャー企業です。
場合によっては事業化される以前の研究中の技術だったりする場合もありますが、シードと呼ばれる起業したての起業への投資が多く含まれるのがこのような大学ベンチャーキャピタルの特徴です。
日本の大学の研究を富につなげるためには
日本の場合には産官学の連携の必要が叫ばれて久しいですが、確かに大学と企業の間の連携は増加してきています。
しかしながら、技術をベンチャー企業として事業化するにはまだまだビジネスとしてサポートできるだけの機能が大学には備わっていないのも事実です。
加速してきた大学VC(ベンチャーキャピタル)
これらのギャップを埋めるために大学ベンチャーキャピタルが設立されてきました。
これは安倍政権による大学発ベンチャーを後押しする政策にもサポートされているものです。
具体的にどのようなベンチャーキャピタルがあるのか見てみましょう。
大学名 | ベンチャーキャピタル名 | 設立年 | ファンド規模 |
東京大学 | 株式会社東京大学エッジキャピタル (UTEC) | 2004年 | 300億円 |
東京大学 | 東京大学協創プラットフォーム開発株式会社 | 2016年 | 250億円 |
大阪大学 | 大阪大学ベンチャーキャピタル株式会社 | 2014年 | 118億円 |
京都大学 | 京都大学イノベーションキャピタル株式会社 | 2014年 | 160億円 |
京都大学 | みやこキャピタル株式会社 | 2015年 | 60億円 |
東北大学 | 東北大学ベンチャーパートナーズ株式会社 | 2015年 | 100億円 |
東京理科大学 | 東京理科大学インベストメントマネジメント株式会社 | 2014年 | 40億円 |
慶應義塾大学 | 慶應イノベーション・イニシアティブ | 2016年 | 45億円 |
ほとんどの大学発ベンチャーキャピタルの設立年が2015年近辺に集中していますね。
規模としては東京大学と京都大学の2校が突出しています。
必要なのはお金よりも人材
しかしながら問題はお金の多寡よりも事業化をできる人材の有無です。
技術を見て市場の可能性と検討し、それを事業につなげていくためのシステム(ここでは情報システムではなく事業体系の意味)を構築し、そして実際に事業として実行する
それは人間のスキルであり、人材がなければ成立しません。
最後に
大学のベンチャーキャピタルは先進的な技術を事業につなげる可能性を秘めた仕組ですが、やはりこれを絵に描いた餅にしないためには人材が集まる仕組が必要です。
皆さんにとって何かしらの参考になれば幸いです。
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